今年のベスト[音楽編]

今年もあんまり買えませんでした。音楽誌もほとんどスルーっす。そんなんで2006年ベストをあげるのはどうかと思いますが…恒例の惰性、高齢はダセェ? とりあえずUKロックの死に水は汲もうとおもってますんでそこらへんから。

1.The Strokes『First Impressions of Earth』
2.Editors『The Back Room』
3.Arctic Monkeys『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』
4.Klaxons『Xan Valleys』
5.KasabianEmpire
6.Massive Attack『Colected(BEST)』
7.デラシネデラシネ
8.Struggle For Pride『You Bark WeE Bite』
9.MSC『新宿 STREET LIFE』
10.KILLER BONG『MoscowDub』


1.横綱相撲。これだけダレないでポップミュージックの中でロックンロールを奏でられ続けるというのは非常に稀である。伝統芸能化するか、スタジアム向けの大味の歌謡曲になるか、音世界を追求するだけかどれかなのだが、彼らはこの3rdでも長ったらしい曲や勿体ぶったイントロや合唱曲を作らなかった。きっちりとした簡潔さの中にロックンロールの感情を保持したまま音響はしっかりダンスミュージック的に計算された曲を並べた。グレイト!

2.伝統芸能化したUKロックの中からその様式の洗練。細かなカッティング主体のギターにダークで熱のあるうたと適度に疾走するリズム、グラム〜NW〜ブリットポップと連なる女子供用のUKロックの系譜、ってじぶん結局好きなんすね。ジョイディビジョンやバニーメン直系で曲が書けるなら文句言いません。しかし一昨年あたりからのNWリバイバルもそろそろ終わりですね。

3.06年のUKロックの台風の目。00年代中盤を象徴するUKのバンドになるでしょう。過去から切断されギターで作曲されていない様なリズムと言葉の織りなす急性な楽曲。そしてUKガラージのstreetsから影響された惨めったらしくも素晴らしいリリック。つまりバンドでありながらメンタルティーはフロア仕様hiphop以後、けれど音はパンク。UK労働者階級の言葉が過剰にリズムにのっかって吐き出されるのはピストルズやスミスを思わせるが本人達は興味さなげ。文学的かつパンキッシュすんばらしい。

4.そのアークティックを追っかける07年の新星。ニューレイヴなる新しい動きの象徴らしい。それまでの踊れるポストパンクNWリバイバル〜ディスコパンク系の流れが、レイヴ/ダンス物と混ざった所で鳴らされたバンド達のことらしいけど。元気なパンクバンドかつレイバーってことなんでしょうか…正直測りかねますが、確かに音は面白い。歌詞に享楽性だけではないのが救いか。今後の期待を込めて。

5.セカンドサマーオブラブ→マンチェ→ビッグビートからの直系であってニューレイヴとは違うのです。けれどフロア対応のUKロックの革新性を悲しくも一挙に引受けている彼ら。。。まるで往年の中途半端にプログレかぶれしたブリティッシュハードロックタッチで綴られるおっそいプロディジーのようなアルバム。黒人感がないのが痛いわけだが、そこから何かロックンロールの末期まつごのあがきが感じられるわけで、衰退期の象徴として捨てられません。アーメン

6.マルチカルチャリズムとしてジャンルを人種をトビを横断した15年の総括としてのベスト。当時の革新性が今日のスタンダードになった比類するもののない彼らのスタイル。セカンドサマーオブラブやマンチェやブリットポップドラムンベースビッグビートガラージュやその他すべての流行を一切流してきたマッシブなスタイルはひとつの結論めいたものに見えます。付属のクリップ、ガレルの様に世界の被害者のひとつの希望ケースを音と画で見せます、これだけは必見。

7.素人の乱10号店シランプリ店長山下陽光くんの友人、かつ世界に誇るジャンク脱臼パンクバンドの1st。NWとポストパンクとジャンクとエモとファストコアを独自に解釈した世界はありそうでなかった感触で、かなり居心地がいい。完成度も高く驚きも備えた00年代のひとつの解答。もっとライブが見たいがDrが脱退?らしく残念。07年も動いて欲しいBUISINESS FOR YOUR MUSIC!!!!!!!!!!!!!!!!
http://www.mistake.cc/deracine/top.htm

8.パンクスが4つ打ちで踊りレイバーがファストでポゴるRAW LIFE的価値観を象徴する、00年代を象徴するパンクバンドの1st。つまりKlaxons等UKの実践の遥かに先に日本の先端はある。の様な口上より、冒頭でのカヒミカリィによる新自由主義批判とMC漢と麻暴のコラボが重要。野田勉に教えてもらったというサプライズあり。古式ゆかしいファストをイリシット・ツボイがいじったのも!

9.そのストラッグルにも参加した日本のアンダーグラウンドhiphopの盟主の久々のフルアルバム。まったく文句無い音の完成度とその圧倒的な価値観を饒舌に語るリリックで、06年ベストといってもいい。RLLはかなり彼らに影響を与えられました。萱野稔人『カネと暴力の系譜学』のBGMに最適。彼らを政治的に読み替えることを一人考える。とにかく新自由主義に真っ向からぶつかる管理されない身体と言葉は若い人の導きとなる。

10.先日の素人の乱9号店でのL?K?OのDJのときもふらふらいましたねTHINK TANKのキーパーソンにしてMC/トラックメーカーKILLER BONGのソロ。モクモクしていて大変イルでブリリアント。オーソドックスなロックンロールはどう逆立ちしても色あせる越境性と豊穣さ。もうロックンロールは終わりなんだなーとこの煙い音を聴くと感慨深くなるわけですよ。ポストモダンな実存様式を音楽的にするとDUBだとエドゥアール・グリッサン『<関係>の詩学』を読みつつ想うRLLなのです。






さーーーーーーーーーーーーーーーー
おおみそかは、ネットラジオですよ。聞いてください!!

素人の乱ラジオ大晦日特別プログラム
晦日はこれを聞くしかない!! 『06→07カウントダウン特別番組』

ネットラジオ素人の乱」パーソナリティー全員集合!? 行く年来る年増刊号!! おまけに朝まで生ラジオ!?
第一部22時〜1時
【聞け、語れ、叫け、06年素人の乱の怒涛の奇跡の軌跡!!】

第一部参加予定パーソナリティー
松本哉/山下陽光(参加確率2割以下?都内にいないかも…)/小笠原瓊太/ミヤタハジメ/YOYO/内田るん/∞+∞=∞/インテリパンク

第二部1時〜4時
【激論! 異論、反論、オブジェクション! どーなる? どーする? 07年「素人の乱」化する高円寺と右傾化格差化する日本!!!】
第二部参加予定
松本哉(以下パーソナリティーが泥酔していなかったらそのままいるかな?)
∞+∞=∞/インテリパンク
ゲストには家賃廃止サウンドデモにも参加してたマイミク★怒<イカル>さんとRisaさんは決定!! そしてドイツから一時帰国中のエコロジストのオールグリーンさんがラジオ第二部ゲスト決定です!そのほか素人の乱以外のゲストも呼んでクロストーク!!
一応朝生憧れでインテリパンクが田原総一郎ポジションなんだけどね。

皆さん予習として、以前雨宮処凛さんがネットラジオ素人の乱火曜日「貧乏人大反乱放送」に出演したときの↓アーカイブきいておきましょう!
http://sweet.podcast.jp/home/snr24/archives/release/main/2006/09/18_014915.html
http://sweet.podcast.jp/home/snr24/archives/release/main/2006/09/18_015203.html