ポストモダン=ニューウェイブ

ポストモダンニューアカとして加工され輸入された80年代初頭、ロックの世界ではニューウェイブが花開いていた。(建築界ではポストモダンとバブルが相乗的に爛熟して行くのだった…)
当時は自明であったので誰も今さら言わないが、パンク/ニューウェイブとはロックンロールにおけるポストモダニズム運動であった。
パンクによって、ロックの方程式であった音楽の進化(なんてバカな!)がストップされ音楽として2周目に突入する。そしてニューウェイブがロックをディコンストラクションする。解体の方程式はスロッピング・グリッスルやキャバレー・ヴォルテールやフライング・リザーズを引くまでもなく、20年代構成主義ダダイズムを踏襲している。ロックでは50年遅れて美術/建築をトレースし、インターナショナリズムスタイル(ビートルズに当たろうか)とその限界(ウッドストック?)の解体(パンク/ニューウェイブ)を追憶したと考えられている(って欧米ロックメディアでは自明だはず)。今現在ロックは、ニューウェイブの行ったディコンストラクション期を通過(ワールドミュージックやミクスチャー、過去の音楽のCDリイシューによって解体され相対化された)脱構築されその後の商業主義に飲まれて行った。それによって世界音楽の地位をこの15年でヒップホップ/R&Bに明け渡したのだ。(ここから先の何故黒人音楽は解体されないか、ということは本当に音楽のプリミティブな問題になってくるのだ。)

そういえば、メタルやプログレには架空世界を語る切り口が多いのは、やはりまだ物語を信じているモダニズムで止まっているということなのだろうか。というより未だプレモダンということか…

僕自身は現在の前衛である現代音楽的なラップトップ系ジャズにはあまり興味が行かない、彼等はただのレイトモダンである。ロックンロールが本質として大量生産のポップミュージックであって、その先端にこそモダニズムでありつつポストモダンな物が秘められている様に考える。そう、モダニズム近代主義とはつまり商業経済合理主義が含めれているのだと。そう考えると今はロックではなくR&Bの先端であり最も大衆的であるティンバランドが一番前衛なのだ。折衷と複雑の末に完成された最も大衆的なポップである。


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