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Birthday / Sugarcubes / '87

上で書いた僕なりの定義の中でデビュー当時から非常にロックを感じさせてくれる存在にビョークが居ます。意外に思われるかもしれませんが、彼女自身は常にありのままの個人としてその自我を去勢することなく音楽を表現してきたのではないでしょうか。多少の奔放さはあるにせよ一貫して世界と自分の距離を歌って来た様に思います。個人的には彼女の熱心なリスナーではないのですがやはりいつも彼女の挙動には注目してしまいます。
これはビョークを世界が初めて発見したシュガーキューブスのデビューシングル。意匠としては、ポストパンク/ハードコアな脱臼し醒めたアイナーの個性とビョークのすでに出来上がっている唯我独尊歌唱が非常にポップな楽曲で混ざり、ファンタジックな素晴らしい世界を聴かせます。ビョークとアイナーはこれ以前 KUKL というバンドでクラスレーベルからLPを2枚出しているが、それは僕は未聴。しかしビョークが一貫して社会性とは無縁ではないのはその出発点にクラスレーベルを選んでいるということでも伺えます。
この後彼女はソロとして世界的に成功しカンヌを捕りもしたが、未だに個性を世界に迎合させずに表現している。非常にロックです。

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