200songs-153

quawabe2005-01-10

(We're Gonna) Rock Around The Clock / Bill Haley & The Comets / '54

55年に映画『暴力教室』の主題歌として米英でこの曲を大ヒットさせた彼ら。カントリー出身の彼がバンドを率い、シナトラやティンパンアレー(職業作曲家)主体の音楽業界に最初のロックンロール世代の一撃を与えたのだ。
当時、世相は例えばジェームズ・ディーン主演『エデンの東』やマリリン・モンロー『七年目の浮気』がヒットしたミッドセンチュリーな夢の時代。
同じくヒットした上記の『暴力教室』は、校内暴力とそれに立ち向かう教師の話。その中身は人種問題も加味されたものであったが、女教師のレイプなどバイオレンスな表現が反道徳的とされた。省みるとここで既にロックンロールの基本的イメージが出揃っているのがわかるであろう。“暴力/初期衝動”“セクシズム”“反レイシズム”等々、主題歌のこの曲では、それほど喚起させないロックンロールのプロトタイプイメージ。すでに時代はロックンロールを希求していたのだった。しかしビル・ヘイリーは太った30過ぎの白人カントリーシンガーであってこのイメージを踏襲出来ずに、後から来たエルヴィスやリトル・リチャードらに追い越される。ともかく、ロックンロォルはブレイクしたその瞬間から“怒れる若者”を体現していたのだった。
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