今朝

徹夜の仕事明けに眠れずにいたら、明け方、母から電話。
父が亡くなった。
動転する母をなだめながら、自分も落ち着かなくなる。
兄弟に電話とメール、帰郷と仕事の前倒しの準備。
明日、新幹線で郷里に、通夜と葬儀に向かう。

一日中、父の思い出が次々と浮かんでは消える。
僕は父を屈折無く尊敬出来ていた。偉大だとか卑小だとかではなく人として真っ当であったとずっと想ってきた。
穏健だとも合理的だとも思わないが、クールで気取り屋で緻密でセンスがよかった。そこが好きだった。
しかし何処か父殺しを済ませていない居心地の悪い関係だったのは否めない。ケリがついていなかったのは自分の問題だった。

とにかく実家に帰ってからである。
非常にモダニストであった父の葬式自体何か茶番めいているが、これは母のため。
冠婚葬祭は嫌いだがこればかりは。

父は非常に病弱で幾つもの持病を抱えていたので急死については以前から覚悟はしていた。
しかしその後を準備していたか、といわれれば想定外の出来事と言わなければならない。
経済的不安、精神の平静、親類との関係等、年末にかけて重い気分。
「ここで踏んばれ」と父からの試練、父殺しということか。

安らかに…とか云う言葉は棺の中の父を見てから。