200songs-136

Lorelei / Cocteau Twins / '84

コクトー・ツインズをロックンロォルと言い切るにはかなり勇気のいることだが、僕は敢えて断言する。発表当時、このスタイル(浮遊感ある無国籍な女性Voとチープな打ち込みにNWキラキラギター)は彼等のオリジナルであり、デット・カン・ダンスの様に古典の盗用再構成ではなく全くの新しい音であったのだ。荘厳なデカダンス溢れるヨーロピアンな世界観すら、ロックンロォルの中から産み出した音世界なのだ。初期の4ADレーベル黎明期のスタイル模索の時期の音は明らかにパンクの残響の中で他のネオサイケ/ゴスバンドと共に誕生した音である。そしてこの3rdで彼等は自らのスタイルを確立しシーンを拠り所にしない純音楽集団に成長しする。
余談だが4ADのアートワークを一挙に引受けるデザイン集団“23Envelope”は、僕が初めて意識した海外のグラフィックデザイナーであり、心の師匠の様な物である。彼等に出合うのはこのコクトー・ツインズのジャケであった。
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