時代は変わる

ロックンロォルは、ぶっちゃけ音楽が純粋に良くてもポップスである以上潜在的マーケットに訴える宣伝が必要です。で似たバンドと無理矢理結び付けてムーブメントを捏造しない限り消費者は購買することはありません。多くのバンドがレッテルを嫌いマスコミを罵倒しますがマニアが買うことだけでバンド活動が維持される事も実は非常に難しいのです。ですから独自に活動していた純音楽的に優れたバンドが後から発見されることが多いのは確かです。純音楽的趣味性であれば過去のバンドかコピーバンドで十分です。
共時性を伴った共感がコミュニティー以上の伝播力によって大衆そのものに時代を刻み付けるのがポップス（流行り歌）です。ポップスの中で時代のオピニオンと啓蒙性を見いだすのがロックンロォルの特性です。ですからポップスとして成功しているアーティストが、その先験的価値観を提示出来た場合、時代は動きます。
言い切りましたが、本当の所、時代が先かアーティストが先かは異論の分かれる所でしょう。しかしたとえばU2やレディオヘッドがジュビリー2000を押すことで、債務国問題を金融資本主義の大きな欠陥を広く大衆に知らしめることになったと思います。こういった具体的な問題でないにしろ、御為ごかしでない個人の内面やリアリティーを取り上げた歌詞や姿勢はその時代を浮かび上がらせる物です。それがソングライターやミュージシャンをアーティストと呼びたくなる瞬間です。モードとして消費されていくポップスの中でロックンロォルはこうして時代を少しづつ更新してゆくのです。