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Alright / Cast / '95

リブフォーエヴァーといえばどうやら、マンチェに続きブリットポップ物映画が今週末から封切りみたいですね。圧倒的な実存讃歌であった当時のヒット曲達、サントラに目一杯収録されてますが殆ど持っていて買う必要なしでした。
かのブームは確かにいい曲は多かったのですが一つ苦言を呈するなら、ロックンロォルをポップスと完全に取り違えてしまったということですか。歌える耳障りのいい曲ならなんでも取り上げてしまった、そして拝金集金産業ポップスが作られ混じり腐っていったことでしょうか。最後はスパイスガールズに乗っ取られて終わりです。基本的に現状肯定的なロックンロォルは語義矛盾ですので、リブフォーエヴァーすら怪しい言葉ですが、オアシスには余りあるエッジがありました。マニックスのア・デザイン・フォー・ライフは労働者階級現状否定歌だったのが取り違えられたのは有名な話。あの流行でロックとポップスの違いが見分けられない(というか分け隔てない気にしない)風潮が生まれてしまいました。まあ、英国は景気いい時代でしたが、この日本ですらエッジをロックンロォルに求めない人が多いのも事実、せめて産業歌だけ消費していて欲しいものです。
でキャスト。ジョン・パワーがラーズから躁状態で奇蹟の復活。2ndシングルのこの曲も大丈夫!と享楽的ブームの一端を担うまでに。実はラーズの頃からやっていたただのいい曲だったのに、悲しいかな時代に後押しされ消費されてしまった。俺は彼等も今でも聴いてやるよ、消費ではない慈しみを持って。
ジョン・パワーという人は、人生の苦渋を舐めながらも何かを積み上げて行こうとするタイプの人間である。その前向きであろうとする努力を時代は消費していった。非常に残念だが、でもしかし今でもきっと何処かで彼は音楽を続けている事であろう。そんな彼もロックンロォルである。

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