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Take Me Out / Franz Ferdinand / '04

「This band will change your life!」とNMEに飾り付けられてしまった今年最大のハイプ、もしくは最高の新人フランツ・フェルディナンド。近視感バリバリのスタイル(ガレージ/アートパンク/ポストパンク/ディスコパンク)ながらそこにかっちりしたバンドアレンジと良質のソングライティングが頭一つ抜けさせた要因だろうか。例えるならブライアン・フェリー(NOTイーノ)がプロデュースしたトーキングへッズか。この曲はアルバムカットの2ndシングル。前半勢いのあるガレージパンクで突っ走るかと思わせながらペースダウン、がっちりリズムを脱臼させたポストパンク仕様ダンスナンバーにしてしまう、77年から81年までの英国オルタナティブ史を俯瞰したかのような曲、素晴らしい。このペースダウンはしっかりバンドアレンジしないと形にならないブリッジであり、彼等の底力を垣間見る。全体にポップな女子供向けの甘めの作りにしているが、実はそれなりに聴き捨てられない耐久性を持つ曲を書いている。アート臭いといってもポップアートやコンセプト重視と言うよりはヨゼフ・ボイスやデュシャンに近い情念のアート臭に近い。ケチをつけるならプロデューサーのトーレ・ヨハンソンの中庸な音録りだろうか。甘いカクテル仕様にした責任者は彼か、アブサンにした方が良かったと思うが。
さて、彼等のロックンロォルは人生を変えるだろうか。

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