100songs-021

No More Heroes / Stranglers / '77

異色のロンドンパンクにして5大パンクバンドの一つ、ストラングラーズの2ndのタイトル曲。アンチ・ヒーローソングにしてロンドンパンクのスローガンになったこの曲、同時期のロックンロォル殉職者のエルヴィスやマーク・ボランに触発されたものらしい。他の餓鬼パンクスとは違う高学歴武闘派インテリパンクな彼等はハードな音を想像するが、今聴くとキーボードとベースがうねり、パンクと言う語からはおよそイメージ出来ないユニークなバランスになっているので拍子抜けしないように。
今でこそクラッシュが男パンクスのロマンチズムを象徴しているが、この頃暴力的イメージと度々の暴動コンサート、政治的に過激な発言でストラングラーズは硬派中の硬派で通っていた。当時労働党系から保守党系に変わったロンドン市議会は、パンクスの取り締まりを一気に強化していたが、もろにその煽りをうけ彼等のライブは禁止され、それに対し彼等のファンが「Stranglers must play in London」と抗議の落書きをロンドン中にして当局は渋々ライブ許可を出したのだった。その他にも度々のナショナルフロントのライブ襲撃もあったが、76〜77年の2年間にライブ500回という数字からは彼等が生粋のライブバンドであったことが伺える。これに酔えなければロンドンパンク失格であったのだ。

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