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Sunday Bloody Sunday / U2 / '83

この曲と収録アルバムを発表の83年の時点で、クラッシュもジャムもスペシャルズもポップグループもクラスも居ない。ということは、影響力のある政治性を持ったロックバンドがU2しか残っていないということだ(ハードコアやビリー・ブラッグはいるんですがね)。唯美主義のネオサイケやポジパン、享楽的なエレポップに耳障りのいいネオアコ、まさに退屈な80年代が始まった感じである。スミスとメリチェンが頭角を現すまで、世間に波風を立てるロックンロオルバンドは彼等だけだったのだ。アイルランドの田舎者の彼等が、モードとしてパンクを消費しきった時代にモードが終わったのを知らずに一人続けていた、というのはよく言われる話。しかしそのおかげで彼等は潜在的にロックンロォルを必要とした10代を引き付け、その後のルーツミュージック巡礼まで聴衆を増やしてゆく。やがてU2ニューウェーブ出身の数少ないスタジアムバンドになってゆくのである。この曲はその成功の最初の一歩、アイルランド紛争の72年1月の血の日曜日事件をテーマにしたヒットシングル。楽曲はエコバニとキュアーのパクリだがプロデューサーのスティーブ・リリーホワイトの空間処理は素晴らしい、特にスネアの音!
ところでこの最高のスネアのイントロを使った、DJ shadowブレイクビーツを持っていたのだが今探しても見当たらない。何ていう曲だったっけ、売っちゃったかな。だれか教えてくれ。

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