54「年末リリース」

quawabe2007-12-31


オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1)


第37弾  ケルアック著『オン・ザ・ロード』出版50周年記念 Tシャツ

ジャック・ケルアック(Jack Kerouac) 著『オン・ザ・ロード』が今年2007年に刊行50周年になった。11月には池澤夏樹セレクトの世界文学全集の一巻目として『オン・ザ・ロード』が発刊された。そして年末、記念事が好きなRLLは当然のごとく便乗して、ここに『オン・ザ・ロード』記念Tシャツを発表した。

1957年9月に出版された小説『on the road(路上)』とその前年出版されたアレン・ギンズバーグの詩集『Howl(吠える)』によってビート・ジェネレーションがムーブメントとなってから50年、彼等は20世紀の後半を完全に塗り染めた。その文化は、カウンター・カルチャーの直接の元祖。その価値観はスクエアではないユース・カルチャー、音楽や映画や文学や革命やパンクやドラッグやお洒落やその他なんでもいいが、全てに浸透していて、実は僕らはその影響下に生きている。

戦後反ファッショから反共へと都合よく方向転換し、終いには朝鮮戦争を引き起こした「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」に幻滅した自分達を、ケルアックは「ビート・ジェネレーション」と名付けた。彼等は真実にチューンインするため路上へターンオンし、バカバカしいアメリカ体制からドロップアウトすることにした。当局からはマッカーシズムアメリカの治安維持法)の追及を受け、世間からはソ連スプートニク同様の反米の象徴として「ビートニク」と嘲笑されたが、第二次世界大戦を陰鬱にやり過ごし戦後体制と冷戦に失望した若者たちからは、熱狂的に受け入れられ、それが後のヒッピーへと続いた。経済的に恵まれない人々(貧農、ルンペン、浮浪者)や社会的弱者(有色人種、性的少数者)や思春期の若者や不良やボヘミアンやジャンキーやアーチストを代弁した。Tシャツで放浪し、自由と恋愛を魂に従い、創造を尊び詩的に生きる、そんなビートのスタイルで世界は変わった。それは最も豊かな時代のアメリカ(50年代、世界人口6%のアメリカでは世界物資の半分を消費していた!)から飛び出した、最も反アメリカ的な態度だった。

ビート・ジェネレーションの最高傑作といわれる『オン・ザ・ロード』は、落ち着きなくひたすら北米大陸を4往復する中での旅情と乱痴気騒ぎと恋愛とお喋りと音楽の話。120フィートの巻き物状のロール紙にノンストップでタイプし、一気に7年間の旅を3週間で仕上げたという伝説を持つ、過剰なスピード感で疾駆するケルアックの自伝的小説。その後ケルアックは酒に溺れ迷走し1969年に47歳で死ぬ、大ブレイクはアメリカンドリームを見限ったビートには辛すぎたのだった。しかし、ジョニー・デップソニックユースヴェンダース森山大道もコッポラもジョー・ストラマーも心酔した『オン・ザ・ロード』は永遠にクールだ。この先もケルアックはユースカルチャーの中で普遍的に輝き続けるだろう。

青山南新訳の『オン・ザ・ロード』(河出書房新社)のブックカバーと同じアクアブルーのボディ。「ON THE ROAD 50TH ANNIVERSARY」のコピーのバックにはケルアック直筆の第一部のルートマップ付き!サイズGS GM S M L XL。受注生産なんで、欲しい方は、コメント or メッセージください!

ジャック・ケルアック
http://mixi.jp/view_community.pl?id=12376
▼『オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309709419/



2007ベスト

「今年も音楽をたくさん聴けなかった」と毎年いいわけをしているね。
http://d.hatena.ne.jp/quawabe/20060116
http://d.hatena.ne.jp/quawabe/20061231

例年通りに自慢できるほど音楽に触れてません。でも今年は、大恋愛をしてしまったので、音楽がよく聴こえる。平岡正明が指名手配中が一番良く聴こえると云っていたけど、そう、人は音の聴こえは精神状態で違うのである。というか感受性の意識変性は、芸術鑑賞が芸術感傷だということを示す。いい耳が戻ってきたことを素直に喜ぼう。



順不同

Sound of Silver
1.LCD Soundsystem/Sound of Silver

War Stories
2.UNKLE/War Stories

リミックス天国
3.Soulwax/Most of the Remixes...

No Not Me Never
4.The Photo Atlas/No, Not Me, Never

Mirrored (WARPCD156)
5.Battles/Mirrored

6.Siva/The Story Is Complete, But I Think We've Lost The Book

A Weekend In The City
7.Bloc Party/A Weekend in the City

Untrue
8.Burial/Untrue

眠る男(DVD付)
9.PRIMAL/眠る男

10.DeepThroatX/「学生/泥棒/機械」Soundtrack


1.一番聴いてたし、完成度も高く印象も強い。パンクバンドがハウスを演奏するという昨今ディスコ・パンク〜ディスコ・ダブ〜ニューレイヴの流れの完成形かなーJusticeも流行った今年らしさも当然彼等が呼び水。

2.アンクルはLCD Soundsystemよりもロックにシフトしてさらにゴシックになった。当然好きだが正直痛々しい、それについては、レディオヘッドの新作と似た感を持つ。これも飽きずに聴いていた。

3.彼等がいたらオレDJしなくていいわ、ってなポップチャートのツボとダンスのマジックを両方持ったリミックスCD。2Many DJ'sの人のバンドなんだけど、何故かリミックス集。アゲアゲ。

4.At The Drive-In的なUSインディーぶち切れ感とMaximo ParkとかのUKポストパンクノリが合わさった様なお得なバンド。ブレイクしなかったのは残念。

5.たぶん今年オルタナ系ロックで一番ブレイクしたのはバトルスじゃないかな。ワープから1st出て、ジャパンツアーもソールドアウトだったし、どこでもポスター貼ってたし、ユニオンはエコバックまで作ってた。確かにポストロック系では相当完成度も高い。2曲目は散歩のテーマ。

6.BattlesもBurialもこのSivaも彼女に教えてもらった。このドイツのradioheadに影響を受けた打込みと生が交錯するエモバンドなんて、オレじゃ探せないわ。スルメ系で作り込みがしっかりしているので飽きないエモはドイツが進んでるね。

7.アークティックもニューレイヴにもあんまハマらなかったので今年はUKロック(英国音楽芸能界)は個人的には不作。1stがエコバニ〜キュアーなポストパンクNW風だったのが2ndではU2になったかの様な緻密さ。

8.ダブステップもこんなに洗練と印象を。ものすごくいいのはどこかMassive Attacを思い出すからかな。メランコリーで繊細な孤独のダンス音楽。ひとり通勤電車で聴いてました。

9.MSCの人のソロ。漢の身もふたもないニヒリズムと対をなすかの様な、ストイックなロマンチズム。やはり提示する世界観の魅力が最後には。リアリティはやはり邦楽だけにほかよりも近いものを感じる。

10.高円寺一揆でのオオトリも記憶に残るディープスロートXのレア音源。何曲かは何日か繰り返して聴いてました。自分は飽きっぽいのだけど、そんな聴き方が出来たのは、彼等とLCDとBattlesとALTZだけ〜

今年一番身体を揺らされた場所

http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/20071205
http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/20071208


よくまとまってて面白いですね。
インディペンデントな音楽は、実は日常のバンドのブッキングやオーガナイズのされたパーティから繋がっていることも面白いですよね。個人やグループから、人脈つながりのシーンが出来て、それらの小さなお祭り(自主企画)がフェスや大型パーティになってゆく。何度も体験したこの感じは、なんでドキドキするんでしょうね。
最近ではmixiとかもあって、口コミの情報が回り過ぎていて、毎日無数に小さなお祭りがある状態ですよね。よくいえば毎日が小さなフェスの数珠繋ぎ。

あともっと小さな祭り、例えば、高円寺の某街の有名人の誕生日を祝うことがいつのまにかパーティになってしまったりした出来事、某スタジオライブが恒例化して通好みなバンド/有名DJの交流パーティになってること、住宅街の一角の驚くべき地下室にある無届け無宣伝のインディペンデント箱とか、廃工場が日曜昼間だけスクワットされて続けられたバンドのフェスとか、ものすごく細かく面白いですよ。まるで往年のゴールデン街の様ですが、おいらの周りはいつの間にか、そんな感じが続いてます。今やフジやagehaが大味すぎる!

ちなみに今年一番興奮したフェスは「MARIJUANA MARCH 2007」と「高円寺一揆」かな!

前者は、産まれて初めてあんなに笑顔が続いたデモを見た参加したことがショック。陽性でピースでオープンハートな隊列はなんだか外国の様!!!!原宿署の対応の変化も嘘の様。

一揆はおかげさまで、今までの人生観がまた変わった。バカバカしさへの情熱が世界を変えてしまうという目撃!!!!それから素人の乱のタレント揃いな感じはある意味恐ろしい。ノンフィクションなのに『僕らの7日間戦争』より濃密で計算され尽くしたようなドラマ。オリンピックより見どころが連続する現場。


遊び過ぎでアウトプットが追い付きません!

53「メジャー仕事」

quawabe2007-11-09

はい、ご無沙汰RLLのintellipunkです。


本日発売の『週刊読書人』(http://www.dokushojin.co.jp/)という、あんまり有名じゃない本の新聞、RLL仕事として「ポール・ギルロイを迎えて」という来日記念枠10面の10段を紙面構成させていただきました!
RLLのメジャー初仕事、お金と時間より興味が先立つようでしたら、是非手に取ってみて下さいまし!

上野俊哉せんせ鈴木慎一郎せんせ毛利嘉孝せんせの原稿を流したり文字詰めしたり、ギルロイの写真切り取ったりそんなもんですいけど。
あとは、RLL企画として「『Black Atlantic』から広がる読書圏?RLLの本棚から?」という人文読書好きするネタを掲載! おまけにギルロイのオフィシャルTシャツ二枚も掲載!! あーこんな楽しい企画だったらいくらでもやるんですけどねー

企画を振ってくれた上野せんせ、ならびにタイトなスケジュールで無理を通させて頂いた編集のたけさん、そして撮影協力の気流舎さん、ありがとうございます感謝感激です。


今までは、メジャー(remix/論座)も取材対象になったりする程度だったんですけど。これからは請負もしたしますよ、企画だしますよ、なんてプロダクションみたいですけど、少しウリウリもいいかなーとか思ってます。

それから今出ている『インパクション 160号 ボイコット 生活から世界につながる』(http://www.amazon.co.jp/dp/4755471664)にも、加藤さんの記事「スペクタクルの社会をボイコットする カルチャー・ジャミング」でRLLが、日本のカルチャージャマーの第一人者(←偉そうだけどホント)として取り上げられてます! これも是非見て下さい!!




あと下記リンク先↓、ライスワーク企画しました。
http://www.ventureport.jp/?action_user_seminar_seminarlogin=true&SEMINAR_ID=101
http://www.ventureport.jp/?action_user_seminar_seminarlogin=true&SEMINAR_ID=102
http://www.ventureport.jp/?action_user_seminar_seminarlogin=true&SEMINAR_ID=103
http://www.ventureport.jp/?action_user_seminar_seminarlogin=true&SEMINAR_ID=104
REALTOKYO』(http://www.realtokyo.co.jp/)や『ART iT』(http://www.art-it.jp/japanese/index.html)の編集長の小崎さんとか「アップリンク」(http://www.uplink.co.jp/)主宰の浅井さんとか、超重要文化芸術仕掛人の講座がジャスト壱阡円で聞けるのは、かなり奇跡的なんで、興味のある方は是非!!!!!



あ、今週末11/11(日)22時からのネットラジオ素人の乱『RLLのかくめい生活研究所』(http://trio4.nobody.jp/keita/)は、ゲストにエロテロリストもじさん(aka ○な○く)。クイア自認の彼女の艶っぽい話も絶対聞くしかない!


今、RLLのサイトを構築中です(http://www.rll.jp/)がなかなか大変です。Harpo部長原稿がんばってー

Black Atlantic Nite 3

quawabe2007-10-13

10/10@下北沢ROOM HEAVEN&EARTH
24:30-25:30

Clap Your Hands ! / デラシネ
Atlas / Battles
Losing My Edge / LCD Soundsystem
Destroy Rock & Roll (Tom Neville's Clean Edit) / Mylo
ISN'T SHE LOVELY / Studio Apartment
Fight For Your Right / Mondo Grosso
Don't You Worry 'bout A Thing / Incognito
「The Men」のテーマ / オーサカ=モノレール
Pick Up The Pieces / Average White Band
When You Are Who You Are / Gil Scott-Heron
Dance To The Medley / Sly & The Family Stone
Miracles / Jackson Sisters
Smooth Criminal / Michael Jackson
Superfly / The Blow Monkeys
Free Nelson Mandela / Special AKA


関係者の皆様、ならびにご来場下さいましたお客様、サンキュウ!
ギルロイセレクターっぷりに会場ほっこり、フロアのりのりでしたね。
レポは身内でライターの一色こうき君がウラゲツブログに上げてます。
腰までのドレッドの黒いトトロみたいなギルロイの暖かヴァイブスでフロアもヤヴァなんて。

しかし、あんなホカホカな空気の後にどんなDJやっても寒くなるに決まってますよ!
はい、終電後のユルめの時間なのに、大味な音しか持ってきてない自分が悪いんですけどね。

LCD Soundsystemの「Losing My Edge」とMyloの「Destroy Rock & Roll」は共に、ロックンロール(退いてはポピュラーミュージック)の更新したある瞬間を讃えた曲ということで、絶対にかけたかったのだ、ブラックアトランティックへの返答として。
Myloは80年代の産業化の完成したスーパースター達(連呼!)の頽廃を破壊するというダンスミュージックの意義を自ら宣言することで、ポピュラーミュージックそのものを自らに引寄せた、彼のブレイクするきっかけになった05年の曲。
LCD Soundsystemの「Losing My Edge」も同じく05年作。幾多のロックンロールの伝説的瞬間(例えば、ケルンでのCANの最初のライブ、74年ニューヨークの最初期Suicide、キャプテン・ビーフハートの最初のバンド、パラダイス・ガラージラリー・レヴァン、88年イビサのビーチ、'85'86'87のデトロイトテクノのホワイト・レーベルもろもろ)を目撃してきた主人公が「俺は丸くなっちまった…」と改悛する名曲。
両者とも、多くのアーチストの名前を連呼することで、ロックンロールの歴史を背負ってゆく、音楽の血脈コンテクストが重要なテーマである。余談ですが麗蘭の「今夜R&Bを…」も同じような名曲。ブラックアトランティックもその様なポップ中毒の系譜学として読むことが出来るんじゃないでしょうかね。

ラスト、Special AKAの「Free Nelson Mandela」は、ポピュラーミュージックが南アのマンデラ収監をキッズに伝えた意味で大きい楔。単純にラヴァーズ風のソカのイイ曲なんですけどね。





ポール・ギルロイ来日記念オフィシャルTシャツ「Diaspora, Alternative Public Sphere」は、まだ在庫ございます!

DIY芸術

欧州のインディペンデントのエモやハードコアのCDやepをたくさん見せてもらった。

やっぱこれらは、作ったバンドの想いがダイレクトにつながってくる、有態に云えば「宝物」だった。

多くは紙ジャケだったり、ジャケとCDだけでプラケースがなかったり。その代わりに素敵なお手製のブックレートというかMiniZinがついてたり、中にはパッチがつくことも。そして多くは、丁寧な歌詞カード以上のメッセージが、ゼロックスとカッターとホッチキスで綴られている。
政治的な言葉と図案が踊り、SK8とモロトフカクテルとエアゾルアートの影響下のクリエイト・アナーキーな世界。アナルコパンク、スクワット、DIYカルチャー、コミュニティーミュージックとメディアトライブとしてのパンクネットワーク。言うは易いが、日本で体現できているのは、IRREGULAR RHYTHM ASYLUM(http://a.sanpal.co.jp/irregular/)くらいだと思う。
それらZin。影響を受けたミュージシャンからの引用、落書きやコラージュや引っかき系パンク的意匠、友人の撮影したライブ写真、ツアー先のエモフォト、本人か友人が描いたイラスト、協力者による日本語訳もあった。限界芸術論 (ちくま学芸文庫)http://www.logico-philosophicus.net/gpmap/books/TsurumiShunsuke001.htm)のキラキラした可能性の結実だった。

通常の印刷よりも安く上げるなら、少し荒い簡易印刷。黒だけならマイクロプリントやゼロックスリソグラフや一色コピーも緑や赤を使って華やかに。とうぜんシルクやスタンプもある、色紙に2色のシルクで3色印刷に見える手わざ。愛とアイデアで手作業も大量生産物に負けない。大体が通し番号付きで500枚以下。中にはトレーシングペーパーでコピーを通して手織りしたブックレートが、通常印刷以上の効果をもたらすものも。マレーシアの激情系はフロッピーディスクの外装にCDを入れていたり。あーこりゃアートスクール出だな、とかクスリと笑える小ネタやサンプリングも。小部数ならステンシルを上手に使ったものもある、そうそうそれはレーベル面までプシュっとやってる! レーベル面でいうと手書きも多いが、綺麗にスプレーでコーティングしたものも綺麗。

幾多の予算と手作業の可能性の中で、自分の出来うるスタイルから最良の手段を尽くし、自分の音楽をパッケージ。

そのDIY精神には感服というか、あたりまえというか。
芸術、その可能性。


CDウォークマンが壊れた通勤電車中、頭の中でエモが鳴り響きながら、『芸術とマルチチュード』を読むと、この世界観がたち現れてくる。限界芸術というマルチチュードの世界。


まっすぐ↓ここに頭がつながってくる。
http://irregularrhythmasylum.blogspot.com/
http://www.modkraft.dk/spip.php?page=nyheder-artikel&id_article=6225
http://www.aktiong13.dk/

↓あまりアナウンスされていないけど、日本じゃこれあるよ。
http://mixi.jp/view_event.pl?id=23567400&comm_id=2043483






こくち

とうぜん来週水曜日夜(平日だよ!!!)はこれだよ!!!!

『Black Atlantic Nite 3』
すでに昨年7月12月と回を重ねてきたBlack Atlantic Niteですが、ついに、ついにあのポール・ギルロイLSE)を囲んでのラウンジパーティ!

 頼まれななくたって回しちゃう、三人の訳者オヤジDJのほか、豪華ゲストでおおくりします。

 ポール・ギルロイに会おう、話そう、ふれてみよう??
RLLによる特別商品も、当日、会場で即販売!

 ロンドンの海賊ラジオでDJをしていたこともあるポールには、音をかけながらそんな昔の話も聞いてみようかと。
 和光大学でのシンポジウムに来れない方、何としてもポールと話したい方、訳者オヤジ三人が甲斐甲斐しく通訳でも、「酒買ってこい」でも何でもします(話半分)。

パーティはオールナイトの予定ですが、ポールは体調のぐあいで早めに帰ることがあるかもしれないことをおことわりしておきます。


main guest Paul Gilroy

DJs Yoshi (UK Dub Seminar)
Shinichirho (UK Dub Seminar)
Toshiya the tribal (Tribal Media Tokyo)
Norio from No In One
intellipunk (RLL)
and more.................?

VJ Ice-K
Sound Shu-mix


10/10 時間 よる 八時から
おねだん  1500円 1ドリンクつき
ROOM HEAVEN&EARTH
住所:〒155−0031東京都世田谷区北沢2−2−14
モアイ茶沢4F&5F
TEL:03−3412−0454

Death in Venice

「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしてるとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない――誰もって大人はだよ――僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ――つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ」
ライ麦畑でつかまえて』J.D.サリンジャー 訳:野崎孝


「ブラック・アトランティックの歴史とは、あらゆるアイデンティティが不安定で移ろいゆくものであり、つねに未完成で、つねに作り変えられているものだということについて、さまざまなことを教えてくれる源泉なのだから。」
「音楽とその儀礼は、アイデンティティを理解するためのひとつのモデルを形成するために用いることができるが、このモデルでは、アイデンティティは、固定化された本質としても、審美家や象徴主義者や言語ゲーム理論家の意志や気まぐれによって再創造されるような曖昧で完全に偶発的な構築物としても理解されえない。」
ディアスポラ概念の真価は、人種的共通性という係争点について、二項対立の窮屈な枠――特に本質主義多元主義を対置するそれ――の外部で思考しうるような形で、差異化とアイデンティティを見定めていく企図にある。」
「できるかぎり単純な用語で言えば、人種的非従属者が世界にそうあってほしいと願うとおりに、世界自身に抗う世界として世界を措定することによって、この音楽という文化は、現在を生き延びていくために必要なたくさんの勇気を与えてくれる。」
『ブラック・アトランティック 近代性と二重意識』ポール・ギルロイ


「創造するということは、決して多少にかかわらず浮薄な遊びではない。創造者は、彼の創造した者たちが冒す危険をとことんまで自分自身に引受けるという恐ろしい冒険に身を投げ入れたのだ。その起源に愛が存在しないような創造は考えることができない。人はどのようにして自己の面前に、自己と同じほど強いものとして、軽蔑あるいは憎悪すべき者を置くことができるだろうか。しかしそのとき、創造者は彼の人物たちの罪の重みをみずから背負うであろう。イエスは人間と化った。彼は贖罪する。神と同じく、彼は人間たちを創った後、彼らをその罪から解放するのである、――彼は鞭打たれ、顔に唾され、嘲弄され、釘づけにされる。これが、「彼(主)はその肉身において苦しみたもう」という表現の意味なのだ。神学者たちの言うことなどかまうまい。「この世の罪の重みを担う」とは正確に次のことを意味するのだ、――すなわち、あらゆる罪を、潜勢としてまた顕勢として、その身に感じること、すなわち、悪を身に引受けたこと、である。すべて創造者は、このように、彼によって与えられ、彼の創造した者たちが自由に選びとるところの悪を背負う――この語は弱すぎるだろう――それを自己のものとすべきなのだ。それが彼を構成する質料であり、彼の血管の中に流れていることを意識するまでに、それを自己のものとすべきなのだ。この点に、私は「創造」と「贖罪」というあの慈悲深い神話の数多い活用の一つを見たいのである。あらゆる創造者は、その人物たちに自由意志を、自己を自由に処理する権能を付与するとしても、心の中ではひそかに、彼らが「善」を選びとることを願っているのである。あらゆる恋人が、相手から、他の顧慮からでなしにただ自分自身として愛されることを願うのは、これと同じことなのである。」
泥棒日記ジャン・ジュネ


「繰り返しますが、女の人にえらそうにすると、戦争が起きます。女の人にえらそうにさえしなければ、戦争はなくなるのです。」
『正しい保健体育』みうらじゅん