03「T-SHIRTS AS MEDIA」

Tシャツはメディアである。しかしやたらコントロールのいい表象だけの頭の軽いデザインばかり、若しくはデザインの体裁の整わない意味のノーコン豪球作品ばかり。
もっとも、グラフィックデザイン全体であってもコンテンツまで理解出来て昇華しているのはほんの僅か。だいたいデザイナーで「スペクタクルの社会」を通読し、職能の偽善性に苛まれた人間はいるのか?!
であるので、踏み出そうにも踏み出せずにいた。遊撃手として陣地戦に持ち込まなければならないのは分かっていた、外からタダのビラをいくら撒いても無駄なのは。
実は実行に移させたのは元イルドーザー(未確認)の作った昨年のサウンドデモhttp://asc.shacknet.nu/)のTシャツ(http://asc.shacknet.nu/archives/040222/notice.html)である。彼ら自身の政治性が表層的であろうとも、場を形成することで説得力を持つのだ。
TシャツはMIXテープかの様な、作り手と受け手に濃密な関係を作り出しイリーガルぎりぎりを綱渡りすることの出来る、非常に秀逸なメディアであることも確認出来た。