01「radical left」「RL」ブランド企画書

今日進んでいる閉塞の帝国。レッシング『CODE』を引くまでもなく、進行形で権力の規制は「法」「規範」から「市場」「アーキテクチャ」へ移行し、「自由」が「自己責任」という「服従」でしかなくなり消費活動が非主体行為となった強管理社会。顕在化する階級とそれを隠蔽する確率論的自己実現。蛸壺化した情報の激流渡りの不可能性、重層的蓄積した知性のベクトル無きスタンダード。市場の潤滑と安全保障を引き替えにした情報管制とネット上で行き交う出口無き情念。核心と革新に近づく道を知らずロードサイドショップにたむろする言葉を失った少年達。市場価値でしか自己存在を規定出来ない商品/市場に成り下がる少女達。
彼ら彼女らには市場を通してしか、商品を介してしか意味が届かない。「国家」と「資本」結託により革命権が隠蔽され、消費文化を揺るがす嗜好と志向は偏狭な個性に貶められる。しかし全てが見せ物気分で構成される消費システムの反射行動であるポップ/ゴシップの中から、彼ら彼女らに届く造反運動が潜んでいる。例えば過剰なスターシステムや突発的な偶然性の先鋭的ヒット、またシミュレーショニズム的な俳諧やブラックな笑い、反語的語りや成功者のスタイルとしてのオルタナティブライフである。多くの場合個性的なサブカルチャーとして囲い込まれ、また都合のよい付加価値だけ商業的に回収される。だがしかし、そこに一縷の望みをかけるのも悪くないだろう。ユニバーサルトライブでは珍しくないこのフィールド、日本の陣地戦で勝負したいと考える。
スタイルはユースカルチャー/ポップカルチャー/サブカルチャーグラフィックデザインの視覚的語彙を駆使して語るは、造反有理とアクティビズムの日常革命。ここから抜け出すためのギアを創出流通させるのだ。無情のグローバリズムに抗する民族衣装の戦闘服になるのだ。
2005/13/02 quawabe