無力感

漠たる不安を憶えるのは、自己の存在を生かされている、殺されることを保留されている物と感じ始めてからだろうか。自然状態の隙間の無い、埋め尽くされた影響関係の力学の中で、時間を長く楽に過ごせることを永続する課題として優先順位をつけて努力させられている。そして生殺与奪を明け渡しつつすっかりと過去を忘れ、全てに安心しきって分業して巨視的に微細にしか見る事が出来ない。鏡を見れば昨日より老けた顔と定まらない自意識自尊心劣等感。

解放されたと錯覚するのは、電気的に歪んだ弦の音と心臓に呼応したスネアとバスドラが重なって爆音で織込まれたときだけなのだ。意味を振り落として向こうからやって来ないと駄目になってしまった。