200songs-145

Basket Case / Green Day / '94

今週はUSパンクオーバーグラウンド10周年で行きたいと思います。グリーンデイの新作が出たばかりだし、もっとも昔話しか出来ませんが。
基本的に僕はヒットしたか後世に影響を与えた物しか興味を持たない様にしているんです。好事家の慰み物としてロックンロォルを聴く事自体が矛盾だと思っているので。ですので、U.S.HxCxってな物に対してとる距離というのは、基本的にこの地点、つまりグリーンデイのブレイクから照射してゆく過去の影響物っていう訳です。
このグリーンデイのブレイク以前のシーン分析は後追いですのでこの本に頼っています。80年代を中心としたオルタナを解説したとっても参考になり親切で面白いイイ本です。

グランジ渦中の93年頭に出た本なのでHCの分量は少なめですが、実際この位の重要度であって、僕自身はHC自体を大きく見過ぎない様にしています。UKのHCとNWの比重比率と大きく変わらないのだと。近年、ジャンルの細分化によって過大に評価する傾向がありますが、HCにだけ名盤がそんなポンポンあってたまるか、という気分です←誰に言っている。

91年のニルバーナがブレイクした時点で、US初のブレイクしたパンクバンドだという評価があったものだが、確かにそうである、どう考えてもカートはパンクスである。では94年のパンクブレイクとは一体なんであったのか? それはスタイルであったと言っていいだろう。アティテュード自体はグリーンデイもニルバーナも大きく変わらない。94年ブレイクしたパンクバンドはオーソドックスなパンク/HCのスタイルを固辞したまま売れたバンドなのだと。
グリーンデイからは初期パンの微笑ましいパワーポップ感が伝わる。それがUSのパンクバンド達、例えばディッキーズやデセンデンツ経由であったとしても。そして先達以上の洗練とセンスをもってパンク/HCというサブジャンルから飛び出しロックという分母で成功するのだった。ここからは一般的なロックバンドのストーリー、衝動→実験→普遍と着々と進んで来た。何処まで彼等は行くのやら、とにかくここがターニングポイント。これはなんと言おうと内実の伴った衝動を持つロックンロォル、狭いサークルからはみ出した正しいパンクだ。
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