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Stop Funk'n With My Head / Infectious Grooves /'91

決してミクスチャーの範疇に常に入れられる彼等ではないが、明らかに相互影響をシーンに与えていたバンド。ヴェニスビーチの元締めスイサイダル・テンデンシーズのVoとBの別プロジェクト。本家がスケーター・ロックなるスラッシーなHCに対して、この分家はスピードはそのままにファンキーなベースを主体にベボベボとHCファンクを演奏、初期レッチリにも通じるパンクファンクをスラッシュ風味で聴かせた。
かなりメタル色が強い音であるが、しかし90年代後半のモダン・へヴィーのHiphopを通過した快楽原則とは随分趣きが違う。向かう方向がへヴィーでファンキーであるのは共通なのだが。ここの違いはグランジの影響があるのではないだろうか。彼等には80年代のLAメタルからスラッシュに至るまでのバンドに共通するアッパーでパラノイア的な感覚(コカイン)がある、しかしモダン・へヴィー勢にはダウナーでプロザック的(ヘロイン)価値観を見いだす。カート・コバーンの導いた時代の色がミクスチャーとモダン・へヴィーに壁を作ったと言っていいだろう。フィッシュボーンやレッチリですら90年半ばにはヘロで漂白された音作りに変わって行く。その時代の波に彼等は乗り遅れたのだった。多くのミクスチャーバンドがモダン・へヴィーに移り変わることが出来なかった典型でもある。
後日談ではあるがBは現在メタリカに加入し、コカからヘロへと移行した80年代バンドとして活躍している。
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