200songs-124

Epic / Faith No More / '89

LAが良質なハイブリットバンドを輩出したとすれば、SFは悪趣味な分裂気質の変態を排出したと言えるだろう。そんなベイ・エリアからの代表は彼等か(実際はLAとSFの両方を拠点としていたらしい)。
スラッシュメタルにファンクにラップにジャンク、果てはプログレエスノ旋律に手を伸ばした雑食ミクスチャー。露出排便飲尿を飛び道具に内面を執拗に白露するパラノイアとして90年代アメリカニズムを体現した象徴。決してパンク的開放感を与えない重く深みにはまる感覚はハリウッドのサイコサスペンス猟奇映画と似ている。グランジ抑鬱的でカタルシスティックな作用とは正反対。
ぶっちゃけ音楽的には何故?という並びと組み合わせが、逆に趣味人の選別性を無視した混沌を作用させる。しかし作っている彼等のジャッジは何処に基準があるのだろうか。ギターはメタル出身ってのがよく分かるのだが他のパートは手癖でもないしさっぱり見当が付かない。
ASIN:B000002LHA