200songs-120

Party At Ground Zero / Fishbone / '85

今週は徒然ミクスチャーで行こうか。で、一発目。発端にして未だ、私見ではあるがこのバンドの衝撃を越えたミクスチャーバンドは存在していない。

既に70年代中頃よりアメリカのポップスではロックから黒人を閉め出しており、近似傾向のP-FUNKやディスコバンドを外から別ジャンルとして囲い込みをしていた。80年代の真っ白に脱色されたメジャーロック(プログレ・ハード、セカンド・ブリティッシュ・イノベージョンにメタル・ブームだ)はグルーヴを欠いたロックを規定し、勃興し始めたヒップホップには拒否反応に近い拒絶を示した。
しかし、そこに有色人種のスーパースターであるマイケル・ジャクソンとプリンスがジャンルを越え活躍、白人のビースティーズがヒップホップでブレイクする。局所的にハウスが流行し、ヒップホップが市民権を得るこの80年代後半は、前半までの白いジャストな音の反動としてあり、時代は一気にファンク回帰へと進むのだ。
そこにミクスチャーが登場である。これは音楽スタイルを指すのではなく、ロックがそのファンク回帰に影響を受けて産み出した時代の必然的王道である。しかし登場時は驚きと異端の目で見られた物だったのだ。

フィッシュボーンはLA出身の黒人のみの6人組。黒人バンドがロックフィールドから登場すること自体が信じられないといった頃、彼等は時代の隙を突いて注目される。元々はファンカデリックタイプのバンドだった彼等が、レゲエ経由で2トーンに行き当りパンク/ニューウェイブも吸収する。それらを混ぜ合わせた独自の音楽性はやはりミクスチャーとしか言い様がない。対バンもレゲエ/LAモッズ/パンクHC/スラッシュ、ヘビー・メタルなどと持て余していたらしい。
エネルギッシュとしか言い様のない彼等の音は以後のミクスチャーの雛形にされながら、彼等自身はブレイク出来ぬまま消耗して消える。
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