200songs-103

Jailhouse Rock / Elvis Presley / '56

“35年ミシシッピー州生まれ。18歳の時、母親の誕生日用の自費録音がメンフィスのサン・レコードの目にとまり54年“ザッツ・オールライト”でデビュー。56年にはRCAに移り“ハートブレイク・ホテル”“ハウンド・ドッグ”“ラヴ・ミー・テンダー”“監獄ロック”を次々に発表し全米1位獲得、エド=サリヴァン・ショウに出演しセンセーションを起こす。77年心臓発作のために死去。幼少の頃身につけたゴスペルで黒人の様にシャウトする歌唱法とギターをかき鳴らし激しく腰を振るステージパフォーマンスで人気スターになり“キング・オブ・ロックンロール”と呼ばれる。黒人音楽(リズム&ブルースやゴスペル)と白人音楽(カントリー&ウェスタンやヒルビリー)を融合させた新種の若者音楽ロックンロールを広く世間に認知させた。”

先日やったワークショップ“世界を揺るがした10曲”の解説文の使い廻しです。今週は王道でいこうと決めたのですが、散々紹介されている物の切り方などそんなにある訳ないので…ぶっちゃけ手抜きです。
しかしエルヴィスの存在に関しては歌唱評価しかされず音楽以外は非常に過少評価きわまりないのですよ。詳しくは“エルヴィスが社会を動かした―ロック・人種・公民権”(ISBN:4791759818)で書かれてますが、この元トラック運転手の歌手が20世紀に果たした役割は余りに大きい。ポピュラーミュージックは世界にその音楽の価値観を乗せて広がる物なのですが、彼がセンセーショナルだったのはその音楽が50年代の“アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ”から大きく逸脱し、新しい価値観を世界に提示してその後の文化的基点になったことにあるのです。アメリカ的基準から外れた鬼っ子的存在が奇しくも世界音楽としてのロックンロォルの発端になるのです。彼の声が、第2次大戦後のベビーブーマーが初めて接する時代の音楽になります(小泉もそうか)。
厳格なる父(西洋音楽)と寛容なる母(ルーツミュージック)から産まれた子供達で、初めて父を越えた存在になったロックンロォルを象徴する存在です。
ASIN:B000002X31