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Stroll On / The Yardbirds / '66

ジェフ・ベックジミー・ペイジの一瞬のツインリード時代の名曲、ペイジがウキウキするリフを弾くのです。有名な“TRAIN KEPT A ROLLIN'”の歌詞直しなのですが、映画“Blow-Up”のサントラのため版権に引っかからない様に歌詞をオリジナルにして(メロはほぼVoのヤードバーズのオリジナルですから)演奏しています。若干トレイン・ケプト・ア・ローリンよかハードロックよりで、この後のペイジの方向性を臭わせますね。しかしキース・レルフは音痴でカッコイイ。
もともとこの曲、“TRAIN KEPT A ROLLIN'”は“Tiny Bradshaw”というジャンプ・ブルース・ミュージシャンが51年に出したのがオリジナルらしいのです。しかし恐らくジャンプ以前のスタンダードブルースとして存在していた可能性があります。その後“JOHNNY BURNETTE R&R TRIO”が56年にロカビリーアレンジでギターを強調した(これもヨイです)バージョンを発表。それをジェフ・ベックがカバーしようと持ちかけ、66年のアルバム“Having A Rave Up”に入ります。映画はそのあと歌詞を変え名前も“Stroll On”に変えます。有名な話は日本のサンハウスが“レモンティー”としてやっていましたね、シナロケがヒットさせていますが、曲のタイトルは恐らくツェッペリンのレモンソングからでしょう。後はヤードバーズ版をハノイやエアロやモーターヘッドがカバーもしています。
こういった一連の著作権無視のカバーは、ブルーズの世界では割と当たり前でそれをリスペクトととるかカッパライ商売ととるかは、音楽のデキで判断することになっていたんですね。まだ聴衆に耳のあった時代の風習で、今の世知辛い価値観とは違うなぁと。今はパブリックドメインの価値観自体が資本が規定しているんですね。
とにかく誰もパクリを許さない時代になったら音楽も死んじゃいますねきっと。
ASIN:B00004Y2BY