100songs-074

Forlvadell / Mineral / '98

97〜01年は、歌謡的世界ではないポップスの前衛シーンが幾つか存在した。それらの流れは今現在も続いているのだが、ストロークス911以降には非常に有閑な存在としてキッズには捉えられている。シーンとはリアリティーのある場のことであるなら、これらの流れは純音楽以外の意味を失効したことになる。UKのOKコンピューター以降のレディオヘッド-スターセイラー-トラヴィス-コールドプレイ-シガーロスの流れ。ポストロックやシカゴ音響系の流れ。ポストハードコアの流れ。トリップホップ、エクスペリメンタルHIPHOPの流れ。ラップトップミュージックの流れ。その中でエモの流れも確実に存在したが、現在はそれぞれのバンドが分岐し、上記の流れに合流するか、歌物の方向やメロディックパンクの方向やモダンヘビーの方向にそれぞれ定着して流れは見えなくなった。グランジほど、盛り上がりはしなかったが同様に時代と共に様々に音は変化して消えていったのだ。
僕がいにしえのエモシーンの中で最も愛着があったのがこのミネラル。退屈なOKコンピューターの様な音を出す元ハードコア4人組。幽玄のメランコリアで地面からつま先が少し浮かんだくらいの音。その影響力で、多くのエモ系バンドが嘆きの為の嘆きを発作することなった。流行とは無縁のオーソドックスな音色とスタイルなので影響力はこの先も続くであろう、エモのジョイ・ディビジョン。なるほど、エモとはアメリカの精神的ポジパンであったのか。
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