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The Golden Age Of Rock 'n' Roll / Mott The Hoople / '74

最高に音痴でカッコイイVoイアン・ハンター率いるモットのラストアルバム。当時の英国にあってグラム出ながらオーソドックスなロックバンドとして活躍する彼等は貴重であった。プログレ/ハードロック/ウエストコースト物で溢れていたシーンではリアルなロックンロォルバンドは彼等だけとまで言われ、後のクラッシュのミック・ジョーンズがイギーやドールズと並んでコピーをしていたという程だ。しかしこの曲は実は在りし日のロックンロォル黄金時代のノスタルジーを歌ったもので、UK版ホテルカルフォルニアと言ってもいい。69年の惰性で70年代前半まで走り続けたロックは、この頃からに停滞期に入る。テクニックと架空の世界を語る事に終始したプログレ/ハードロック群は、登場期の衝撃は冷め聴衆はリアリティーを失い始めていた。音楽の熟成と言われればそれまでだが、ロックンロォルが非常に観念化して世界と繋がらない純音楽として機能することは、本来の魅力とは違う物であった。実際この頃のブラック勢のニュー・ソウルやレゲエこそシリアスでエッジーであった。そして、実際これでモットも息切れをして、解散をする。2年後ピストルズが登場して時代を2巡目に進めると、シーンは孤軍奮闘したモットをリスペクト表明、イアン・ハンターも復活する事となるのだ。

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