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Rock And Roll All Nite / Kiss / '75

僕の昨日の文章があまり分かりにくいので補足として片岡義男の名著「ぼくはプレスリーが大好き」(ISBN:4041371015)の一節を下に引用しておこう。この本は50年代の社会背景から70年のフラワーパワーまでをロックンロォルとプレスリーを通して語られる片岡流アメリカ社会文化史。僕が持っているのは74年に出た角川文庫だが、執筆は70年! であるので当時の貴重な息使いが感じられ、彼のルーツであるロックンロォルへの愛が感じられる。(最近の『影の外に出る』も素晴らしかった! マスト)

 すぐれたロックンロールは、ビートによって切迫感をあたえられた日常生活のリアリズムが、聞き手の心にトータルな衝撃をあたえる音楽だった。心のなかにつくりあげられるその衝撃は、聞き手の全存在にかかわりを持ってくるだけに、スピリチュアルな体験であると同時に、日常的でリアルだった。ロックは、基本的には、現実との対決だった。たとえば、夕食後の一時間をロックを聞いてすごすというような、そんな部分的なつまらないことではなかった。ロックは、生き方だった。
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ロックンロォルの布教にやって来た地獄からの使者、と子供だましなハッタリをかましたキス。彼等も“ロック”と付く曲を量産してる程ロックンロォルに深い愛情を注いでるバンドである。これは一度聴いたら忘れられないキャッチーで軽快な3rdの大ヒット曲。彼等は初期はハードロックと言う程重くも無く、ポップでそのビジュアル同様子供が大好きになってしまう可愛らしさを備えている。

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