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Blank Generation / Richard Hell And The Voidoids / '77

ピストルズの出で立ちである、ツンツンの逆毛パンク頭にジャキジャキ穴空き幾何学模様のTシャツと引きつり痙攣ヴォイスのオリジナル、リチャードヘル。彼は75年にテレビジョンを辞めジョニーサンダースとハートブレイカーズを結成するがすぐに対立、ようやく自由にプレイ出来る自分のバンドを作った、それがヴォイドイズである。そして出来たのがこのパンクを象徴する歴史的名曲“ブランクジェネレーション”。空白の世代と歌った時点で彼は(手元の資料を見ると)既に30歳であり、勢いだけのロンドンパンクスとは違うブランクと屈折を味わっていたのだろう。声には倦怠を叫び出す必然を、バンドには鳴らす為の発作を感じさせる。このバンドはヘルだけが注目されがちだが、ロバート・クインのセンス一発のギターは鋭い切れを見せ、NY系のGの中では今でも一番の個性を持つ。クインは後のルー・リードとの競演も最高だが、凄過ぎてフォロワーが出ないのは可愛そうである、彼はもっと刮目されてもいい存在だ。因にヘルは現在は執筆業をしており、何編か読んだがそれなりに面白いビート小説だった。

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